424年前の創業当時に原点回帰した甕仕込みの酒 『東光 安土桃山』
2021年12月より、『東光 安土桃山』が蔵出し(酒蔵から出荷)となりました。
<東光 安土桃山 とは>
安土桃山時代に創業し四百年以上酒造りを続ける小嶋総本店が、岡山・備前焼作家の松井氏との出会いから、創業当時の製法「甕仕込み」に原点回帰し生まれた日本酒です。
甕による酒造りが行われていた時代より続く酒蔵も
現代で醸造に耐えうる甕をつくれる作家も、今では数えるほどしかおりません。
原点回帰したからこそ生み出すことが出来たこのお酒を
『安土桃山』という時代名のもとにお届けします。
↑酒造りに使用した備前甕
<香りと味わい>
甕で仕込んだことにより生まれたミネラル感と、生酛づくり由来の多様な微生物が生み出す酸味や旨みがバランスよくまとまっております。
複雑な味わいを日本酒の歴史を引き出しとして楽しみながら、
ご賞味いただければ幸いです。
メロンや梨を思わせる穏やかな香りとともに、石を舐めたようなミネラル感、甕の素材である土を感じさせる酸味もはっきりと感じられます。
東光のフルーティーでクリーンなスタイルに比べて、
より複雑で力強い仕上がりです。
<おすすめの飲み方>
ワイングラスや小さいグラスで飲むよりも、平たい大き目の器・口が大きいグラスで飲むことをおすすめします。
口が広く空気に触れる面積が広いことで、低温から室温まで、温度変化による味わいのグラデーションを感じていただけるはずです。
<酒造りについて>
米による酒造りは今から3000年前、縄文晩期からと言われており、酒を造る容器は土器(甕を含む)に始まり、江戸時代には木桶、そして現代使用されているホーローやステンレスなどの容器に変化してきました。
土をそのまま焼き固めた多孔質(微細な気孔がある)の甕で醸造することにより、発酵の過程で酸素が取り込みやすくなり、より発酵・熟成が安定してくると言われています。
↑備前甕作家である松井宏之氏
また、仕込んだお酒には石や土を舐めたような風味や、微細な気孔に生息する微生物による複雑な味わいが醸し出されます。
さらに、自然の菌を取り込み多様な微生物の働きで仕込む「生酛づくり」で仕込んだことで、通常の「速醸づくり」では得られない多様な菌が生み出す酸味や旨みが複雑に溶け合い味わい深い仕上がりになりました。